何時か何処か

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  1. 世界
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1   (ファンタジー小説 世界 改訂版)


そして世界が色を取り戻す。


気が付けば少年は余り見覚えのない屋敷の前に佇んでいた。

いつもの微かな目眩を感じながら辺りを見回す少年。

深く重なった木々の間に垣間見る頂きはエレ山だろうか?それならばチロルからさほど遠くない迷いの森に迷い込んでいるのだろうと考えた。

これまでも深い思考に陥ることで途切れてしまう記憶はよくあることであり、少年はその現状はそう気にならなかった。


今にも崩れそうな古ぼけた屋敷、何もかも朽ち果てて門さえも錆び付いて人を拒んでいるそれは、何かとは比べ妙に生々しく虚ろげであった。

中に入り事情を探ることも、あまり見覚えのないこの場所に何かを探し当てることも叶わずに途方にくれた少年は、それまでの事を思い出そうと仕方なく努めることとした。



今朝は…やけに遠く感じる今朝は いつものように父さんの手伝をするために 村はずれの聖宮まで一緒に華を運んでいたはずだった
父さんの仕事は色々な華を育て売り歩くことであり 永く住処にしている小さな辺境の村チロルにて 主に祭事などに使うそれを扱っている
村人がそれを買うのは至極まれで そもそも買ってまでそれらを愛でるほどには至らない 
村の境を外れしばらく歩めば 劣ることもない草花が幾らでも自生してるからだ
今日の…朝も そんな仕事の一つとして週に一度の村はずれの聖宮へとそれを卸に向かっていたはずだった
そこからは…


『そこからは?』


「えっ?」

突然の声に思考を止め辺りを見回す少年。

木々に囲まれた余り見慣れぬ場所は、依然として誰の気配もない。

目の前の建物にも見るからに動くものもあるはずもなく、木々の奥からも時折響く鳥の囀り以外には気を引く物音さえなかった。


『それからは、上手く思い出せないのだろう?まるで夢の中のように』


姿をみせない声に対して少年は、恐れなのか肯定なのか微かに頷いていたことにさえ気がついていないようだった。



「姿をみせてよ?そして誰なの?」

不安を覚え僕はそんな言葉を口にした。


『クルア…それはできない、何故ならばモンドこと私は君であり君の中にあるからだ』

その答えにもならない答えを聞きその覚えのある名と声にクルアと呼ばれた少年は思い出す。

それが青碧の夢の中で会った男のものであると。

『まず最初に言っておこう、未だに私が私であることを君とマドにと繋がる定めの神に対し感謝すると。そしてどうやら私は問いかけられた物事に対してしか答えられないようだ』

「えっ?どうゆう事?あれは夢の世界じゃないの?」

先ほど思い出したこととモンドと名乗る男の言葉に戸惑い少年は次々と疑問を口にしていた。

『夢ではない、それとはじめの問いに対しては具体的に言ってくれないと答えられないらしい…』

「えっ?えっ?…」



戸惑いを隠せない少年の呟きに返事は返ってこなかった。




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